卒業生の活躍

大沼(旧姓:小林)利奈さん

32回生 1997年卒業
国際基督教大学教養学部国際関係学科 卒業
公益財団法人東京都農林水産振興財団 勤務

現在の自分(自己紹介・職業紹介等)

国産木材の活用方法を提案

私は現在、国産木材の活用を進める仕事をしています。八王子市の山でもスギやヒノキの木材が出荷されているのをご存じですか。多摩地区で取れた木材は、東京の木多摩産材と呼ばれています。東京は世界有数の大都市でありながら、総面積の約4割を森林が占めています。戦後に植えられた人工林の多くは収穫時を迎えていますが、国産木材の需要低迷や林業の担い手不足のためにその多くが伐られることなくそのままになっています。

木材を伐って、建物や家具に使うことは、大気中の二酸化炭素を木材に固定化し続けることができ、地球温暖化防止に役立ちます。また、山を守り災害を防止するためにも不可欠です。都市と森がつながり、森から出した木材を都市が有効活用し、また森に木を植えて育てるという森林循環を進めていかなくてはなりません。そこで私は、国産木材の良さや使うことの意義を多くの方に知っていただくとともに、国産木材の様々な活用方法を提案するために、ショールームの運営や国産材を使用するための補助事業を行っています。

高校生の時、純心のブラジルの支援に携わったり、カンボジアの内戦の悲惨さを知ったりした中で、途上国の教育支援について学びたいと思い大学に進学しました。大学生の時に訪れたフィリピンでは、スラムを支援するNGOの方にお話をうかがいました。「私たちの仕事が必要なくなることが目標。最終的には、そこに住む人が自分たちで社会の仕組みをつくり、自立していかれるようにしなくてはならない」ということをおっしゃっていました。その言葉を聞いて、身近な地域のために働くことの意義に気づき、やがて自分が生まれ育った東京のために働きたいと思うようになり、今の仕事をしています。

純心生活での思い出

勉強の仕方を余すところなく教えてくれた友人

私ははじめ英語が苦手科目でしたが、中学3年生の時に英語が得意な友人に英語の勉強の仕方を教えてもらいました。おかげで、大学受験は英語力を活用して、突破することができました。困っている友人の気持ちを理解し、自分の得意なことを余すところなく教えることができる友人の存在、そういった人的環境が日常的に純心にあったことが今の私を支えてくれています。

純心時代の経験が現在に活かされていること

社会のために役立ちたいと思う原動力

他者に理解され、大切にされる経験というのは、社会や周りの方の役に立ちたいと思う原動力になると私は考えています。今思うと、私にとってのそういった経験は、純心での中高時代にあったのではないかと思います。

純心生へのメッセージ

挑戦した経験は将来の糧に

皆さんは、予測不可能な時代を生きるために、多様な能力を身につけなくてはならないといわれているかもしれません。でも、まずは自分のやりたいと思うことを見つけて、大いにチャレンジしてみてください。やってみる中で、友達や先生方、ご家族に大いに助けやアドバイスを求めてください。私も、純心祭での初めての野外ステージの企画やヤマハの高校対抗バンド合戦への参加など、新しいことに取り組みました。いろいろ挑戦する中での、理解され認めてもらう経験、失敗して助けてもらう経験はきっと将来に役立ちます。純心を舞台に思いっきり何でもやってみてください。