卒業生の活躍

井橋(旧姓:中村)翠さん

33回生 1998年卒業
一橋大学法学部国際関係課程卒業、グラスゴー大学大学院国際政治専攻
一般財団法人海外産業人材育成協会勤務 事業統括部海外協力グループ所属

現在の自分(自己紹介・職業紹介等)

新しい考えを学べる毎日が新鮮―開発途上国の技術者支援

純心卒業後、大学、大学院留学を経て国際協力系の財団法人に入職しました。私が所属する財団法人は、開発途上国の技術者向けに日本で研修を実施したり、専門家を途上国に派遣したりすることで途上国の発展を支援し、かつ日本と途上国の関係強化につなげることを目的としています。

10代の頃、ヨーロッパや中東で起きている紛争のニュースをよく見かけました。こうした報道を見て、世界をより住みやすい環境にするために役立つ仕事をしたいと思ったこと、また様々な国の人と接してみたいと思っていたことから、国際関係を学び、今の仕事に就きました。

現在は研修を企画する部署にいます。日本には質の高い製品を効率よく製造する技術があり、そういった技術を学べる研修に人気があります。こうした技術を活用すれば国の発展につながるからです。

私の仕事は研修の企画と広報、そして参加者の来日支援です。研修は2週間ほどで、理論を学ぶ講義と実践方法を学ぶ企業訪問とで構成されています。参加者は日本で学びたい、という高いモチベーションを持っており、講義時間の最後はいつも質問が相次ぎます。そんな参加者の熱心な姿を見ると、企画時の苦労も忘れ、やりがいを感じます。今はCOVID19の影響で参加者が来日できないため、オンラインで研修を実施しています。オンライン上でグループ討論をしたり、360℃カメラを使って日本の企業の様子をライブで配信したりして、充実した研修になるよう工夫しています。

仕事を通して様々な業種の人と知り合えたり、新しい考えを学んだりすることができるので毎日が新鮮です。

純心生活での思い出

楽しかった英語の授業・文化祭

勉強面では英語の授業が特に楽しかったです。語源といった背景知識など教科書以外のことも教えて頂き、試験でも応用がきく能力を身に着けることができました。生活面では高校3年生の時の文化祭が思い出に残っています。25名ぐらいのグループでピザ屋さんを開きました。お店の名前を決めたり、試作品を作ったり準備から当日まで本当に楽しかったです。

純心時代の経験が現在に活かされていること

考えるとはどういうことなのか

先生方から受けたご指導です。中でも受験対策の一環で受けた論文指導、高校3年生の特別講座で受けた授業(映画を見て社会を考察する社会現象学)は、いずれも暗記や練習問題を解く勉強ではなく、自分で物事を考察し、論理立てて考え、言葉で表現する必要がありました。自分の頭の中をさらけ出すようで恥ずかしい気持ちもありましたが、先生方はそのまま受け止め、根気強く指導してくださいました。そのおかげで、考えるとはどういうことなのか、少し分かり始めた気がします。仕事でも日常生活でも、自分の考えをしっかり持つことが大切です。そのことに気が付かせてくれた貴重な経験でした。

純心生へのメッセージ

一人の人として親身に接してくださる先生

皆さんは、純心生活を楽しんでいますか。課題で忙しいなとか、校則が厳しいななどと思いながら通っているでしょうか。外の世界に出てみると、どんなに純心が温かい場所であったかに気が付きます。どうしてそう思えるのでしょうか。まず純心は公立と異なり、先生方の異動がないので、入学から卒業まで同じ先生方が成長を見守ってくださいます。また、生徒数が少ないので一人一人に目が行き届き、何人もいる生徒のうちの一人ではなく、一人の人として親身に接してくださいます。ですので、今純心生の皆さんは、先生が見ていてくださることを信じ、勉強でも人間関係でも何か悩みがあれば相談し、純心での学校生活をより良いものにして頂きたいです。