2025年12月24日
高1歴史総合 特別授業「ハンナのかばん」

12月20日(土)高1歴史総合の授業の一環として、NPO法人ホロコースト教育資料センター(Kokoro)代表の石岡史子先生をお迎えし、「ハンナのかばん」の特別授業を実施しました。

アウシュヴィッツ強制収容所のガス室で、13年の生涯を終えたハンナ・ブレイディ。
まず、彼女が生前使っていたかばんを見せていただき、そこから得られる情報をもとに、様々な問いを書き出しました。

「ハンナはどんな少女だったのか」
「なぜハンナは殺されなければならなかったのか」
石岡先生の話を聞き、ハンナの正体に迫っていくなかで、彼女は決して特別な少女ではなく、自分と同じような普通の少女であったということが分かっていきます。
今目の前に置かれているハンナのかばんも、収容所で殺された人々の手荷物が山のように積み上げられて残されていた中の、たった一つに過ぎませんでした。
収容所に送られる前は、大好きな母や父、兄とともに「幸せな日常」を送っていたのに、「ユダヤ人の家庭に生まれた」という理由で、ある日突然幸せな日常を奪われてしまったハンナ。
石岡先生に促され、様々な疑問を持ちながら講演を聞いた生徒たちは、虐殺を単なる「歴史的事実」としてではなく、ハンナの人生に思いを馳せながら受け止めることで、このようなことは二度と繰り返してはならないという思いを強めました。

「ハンナさんも私たちと同じようなひとりの普通の女の子だったのに、ある日突然その普通が奪われることはとても悲惨に感じた。ユダヤ人の大量虐殺という歴史を知っていても、あまり興味を持たない人は少なくないと思う。それは自分の事ではなく他人事と捉えているからで、過去の出来事を『自分とは関係のない昔の話』として考えているからだと感じた。あまり身近ではない話に聞こえるけど、このように突然日常が変わってしまう出来事が今後も起こらないとも限らない。歴史をしっかりと学ぶ必要があると思う。」
「参加型の講演はあまり参加をしたことがなかったので、最初は当たったらどうしようとか考えましたが、終わった時には楽しかったと思えました。なんとかして誰もが暮らしやすく生きていくための方法はなかったのかこれからも考えていきたいと思いました。」
今回の授業をきっかけに、今の社会にも通じる「差別」や「ホロコースト」の問題を、生徒たちが自分事として考えられるようになることを期待しています。